日米教育委員会 日米政府出資による教育交流プログラム
日米教育委員会 Japan-U.S.Educational Commission

参加レポート

2004年度フルブライト・アメリカ研究セミナー

イリノイ大学シカゴ校 レポート11

I. はじめに

今回幸運にもこのFASIプログラムに参加出来た事は、私の教員生活だけでなく人生の上でも貴重な経験になりました。本プログラムに参加する上で、全面的にサポートしてくれた学校長を始め、研修参加中に私のクラスを引き取り教えてくれた英語科の先生方、校務分掌の先生、全ての学校職員に感謝します。また、私達FASI参加者がスムーズに研修に参加できるようサポートをしてくださった日米教育委員会のオフィスの皆さんに感謝します。本当にありがとうございました。


II. 研修内容

PART 1 University of Illinois at Chicago (4 weeks)

シカゴでの4週間にも及ぶ研修期間で学んだ内容は膨大な量の情報であり、4週間では全てを理解するのは不可能なくらいの量でしたが、これから時間をかけ、ゆっくり咀嚼していこうと思っています。シカゴで学んだ内容の詳細は下記に述べますが、研修内容はアメリカの文化、歴史、政治、経済、文学、美術、思想、教育等多岐にわたり、多くの角度からアメリカという国を知る事ができました。また、この研修自体がアメリカの良い面だけをプロモートするというような愛国主義なアプローチや内容ではなく、時に批判的に、客観的にテーマについてレクチャーやディスカッションが行われた事により公平な視点よりアメリカについて学べたというのが私にとって一番の収穫でした。また、英語教師として言語を教える立場にあり、その言語が話されている国を深く知ることができたというのは一教師として私にとっても、また生徒たちにとってもベネフィットになると思います。また、そうなるようにこれからも頑張っていきたいと思います。

Week 1 American politics, election, myth of American dream, political philosophy, education, ESL policy and education.

Week 2 Literacy creation of national identity, expansion and the conflicts of rights, literature (Frederick Douglass' Narrative, The Virginian, The Adventures of Huckleberry Finn, Deep Blues), the individual and the city, American geography, urbanization.

Week 3 Refining unity war to war, feminism, American internationalism, war/postwar/cold war, necessity prosperity, and fear, Melting pot/culture, mass culture/high culture, identity and the question of race in African American culture, Literature (In Our Town).

Week 4 Identity, politics, & American popular culture, field trip to high schools, native American literature (American Indian Literature, The Ghostway)


PART 2 Travel through the American Midwest and Southwest of the United States (2 weeks)

シカゴでの4週間の研修を終え、最後の2週間でクラスでのレクチャーで学んだ事を実際に確認するこの研修旅行を通して、学習事項をしっかりインプットすることができました。そういう学習効果面が考慮されたとても良い構成の旅行であったと思います。毎日、バスに揺られての10日間は、初めこそ慣れず、毎日の荷物のパッキングが大変でしたが、後からは楽しく過ごすことができました。バスに揺られながら、窓の外を眺めると景色が都会の町並みから田舎の町へ、そして平原、砂漠、緑の高地、山頂に雪を残した山々を見たと思えば、また砂漠というように目まぐるしく移り変わり、アメリカという国の広大さを実感でき、とても感動しました。特に、ユタ州のモニュメントバレーへ向かう途中での赤土の砂漠の中にまっすぐに伸びた道路は、言葉では表せないほど素敵な景色でした。もちろんモニュメントバレーは絶景で地平線からの日の出はこの上なく美しいものでした。飛行機を利用した一般的旅行でこの様な景色の変貌を眺めながら、多くの場所を旅をすることができるでしょうか?

旅行で訪れた場所
Hannibal, Missouri(MO), Kansas City(MO), Oklahoma City, Oklahoma(OK), Amarillo, Texas(TX), Albuquerque, New Mexico(NM), Acoma(NM), Durango, Colorado(CO), Monument Valley, Utah(UT), Grand Canyon, Arizona(AZ), Las Vegas, Nvada(NV), Washington, DC, Maryland(MD), Monticello, Virginia(VI)


III. 次の参加者へのアドバイス

持ち物 普段の長期旅行に用意する物に加えて以下の物があると便利であると思います。
デジカメ、パソコン(大学にはコンピュータルームがあるので小型ノートなら持って行っても便利)、歩きやすいシューズ、薄手の長袖シャツとブルゾン(シカゴは昼夜の温度差がある。また、室内は冷房が効きすぎて寒い)、写真(自己紹介する時に便利)、内服薬(正露丸には私以外の参加者もお世話になりました。Japanese magic!)

研修に向けて必要であると思われること
研修内容は、社会系内容が多く、特に社会情勢、国際関係、歴史等についての基礎知識が無いととても厳しいものになります。高校生の教科書程度の内容でも良いので、世界史、特にアメリカの歴史について、復習しておくと研修内容がスムーズに理解できると思います。ヨーロッパからの参加者は、バックグラウンドが共通なので、リーディング教材を全て読まなくても、ディスカッションに参加する事ができていましたが、それ以外の地域からの参加者は、背景知識不足のためディスカッションに参加できない事が多くありました。また、アメリカ文学についてのセッションも多くあるので、取り扱われる本については事前にあらすじ等を読んで基礎知識、歴史背景を学習しておくだけでだいぶディスカッションの内容が深められると思います。

 授業の準備のためのリーディングの量は膨大で、本、論文のコピーだけで段ボール箱一箱分になりました。それ以外にも、授業で配布されるプリントやインターネットのウェブリーディングもあったので、英文を読む事に慣れておいた方がいいと思います。



IV. 最後に

私は、この研修に参加した事で、誰でも知りえることが出来る表面的な知識だけではなく、複雑に入り組んだ社会としてのアメリカを知り、体験することが出来たと思います。私の教育実践の中で、生徒たちが異文化に興味を持ち、彼らの疑問に対して以前よりもより深いレベルで答える事が可能になった事はかなりの収穫であります。それ以外にも、アメリカだけでなく多くの国の教育者たちに会う機会を得る事ができた事は一生の財産と言えるでしょう。現在は、このネットワークを生かした国際理解教育やプログラムを実践してみたいと考えているところです。



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