フルブライト・プログラムの目的
フルブライト・プログラムは、奨学生に対してそれぞれの専門分野の研究を進めるための財政的援助を行うとともに、何らかの形で日米の相互理解に貢献できるリーダーを養成することを目的としています。従ってフルブライト奨学生は各自の研究活動を行うだけでなく、それぞれの留学先や地域社会・文化等の様々な活動に積極的に参加することで両国に対するより一層の知見を広める事が期待されています。また、帰国後も同窓生として専門性の高い職業あるいは私的な活動を通して、直接的・間接的に日米関係の向上に貢献することが期待されます。
日米間のフルブライト・プログラムは所属機関・居住地・人種および信条に関係なく応募者個人の資質に基づいて選考する一般公募の奨学金制度として国際的な評価を得ています。
フルブライト・プログラムの歴史
フルブライト・プログラムは、第二次世界大戦終了直後の1945年、「世界平和を達成するためには人と人との交流が最も有効である」との信念のもとにウィリアム・フルブライト上院議員が米国議会に提出した法案に基づいて発足した、米国と諸外国との相互理解を目的とする人物交流事業です。
日本では1949年から1951年まで、ガリオア・プログラム(GARIOA/Government And Relief In Occupied Areas)で約1,000名の日本人が米国へ留学しました。
日米講和条約を控えた1951年8月に当時のアメリカ合衆国大使ウィリアム J. シーボルトと吉田茂外務大臣との間で、日米相互の人物交流に関する覚書が交わされ、翌1952年に米国政府により在日合衆国教育委員会が設立され、ガリオア・プログラムを継承する形でフルブライト・プログラムとしての人物交流が始まりました。
日本におけるこの交流事業は開始以来、約30年にわたり米国政府からの資金で運営されていましたが、1979年12月24日にそれまでのフルブライト交流事業を継承する形で日米教育委員会が設置され、日本政府も運営費用を分担するようになりました。
米国で発足した本プログラムは、世界で最も知られた権威ある人物交流事業として発展し、これまで半世紀以上にわたり日本を含む約160ヶ国以上からの約40万⼈の⼈々に、研究や教育の機会を提供し、あらゆる分野のリーダー育成に大きな役割を果たしてきました。グローバル化する人類社会がさまざまな課題に直面している今日、フルブライト・プログラムのもつ意義はますますその重要性を増しているといえます。
日米間のプログラム運営体制と交流実績
現在、基本的運営資金は両国政府で折半されています。
これら政府資金に加え、民間企業・団体・個人からも資金援助を受けております。
また、募金活動の効率化・恒久化を図るべく日本人フルブライト同窓生により設立された公益財団法人日米教育交流振興財団を通して民間資金援助も毎年受けており、現在では両国政府資金と併せて年間に日米それぞれ約30〜50名の人物交流を実施しています。
フルブライター(Fulbrighter)と呼ばれる同窓生の多くは、教育、行政、法曹、ビジネス、マスコミ等さまざまな分野で活躍しています。
日本での開始:1952年
1952年以降の総参加人数:9,700人以上 日本人: 約 6,700人 米国人: 約 3,000人
過去10年の参加人数
年度 | 日本人 | 米国人 |
---|---|---|
2022年 | 39人 | 38人 |
2021年 | 30人 | 27人 |
2020年 | 25人 | 34人 |
2019年 | 42人 | 52人 |
2018年 | 49人 | 53人 |
2017年 | 38人 | 42人 |
2016年 | 42人 | 48人 |
2015年 | 42人 | 42人 |
2014年 | 47人 | 45人 |
2013年 | 47人 | 49人 |
メッセージ
“Educational exchange can turn nations into people, contributing as no other form of communication can to the humanizing of international relations. …I do not think educational exchange is certain to produce affection between peoples, nor indeed do I think that is one of its necessary purposes; it is quite enough if it contributes to the feeling of a common humanity, to an emotional awareness that other countries are populated not by doctrines that we fear but by people with the same capacity for pleasure and pain, for cruelty and kindness, as the people we were brought up with in our own countries.”
Senator J. William Fulbright
ご寄付いただいた
団体、企業
このプログラムは日米両国政府からの資金に加え、公益財団法人日米教育交流振興財団および民間からも資金援助を受けています。
<2022年度のご寄付・ご支援>
- 全日本空輸(株)(航空券の提供)
- デルタ航空(株)(航空券の提供)
- フルブライト・三木谷記念奨学基金
- 三輪奨学基金
- フルブライト―グレン・S・フクシマ奨学金
データでみる交流事業
フルブライト交流事業は米国と相手国の共同管理、自治運営に基づく委員会を設置し、所属機関・居住地・人種および信条に関係なく応募者個人の資質に基づく人選を行う一般公募の奨学金制度として世界的な評価を得ています。
設立
1946年8月1日
参加国数
160以上
1946年以来の総参加人数
約400,000人
年間新たに支給される奨学金の数
8,000
資金源
米国政府(国務省)、相手国政府、民間支援